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中日新聞に掲載されました。「ペットの思い出豊橋筆で手元に/毛を活かしたアクセサリー手作り」

2018.02.16 メディア掲載・出演

2018年2月16日 中日新聞の社会面にペットの毛でつくる「ペットチャーム-PetCharm-」か紹介されました。

ペットの思い出豊橋筆で手元に/毛を生かしアクセサリー手作り

ペットの毛を使った筆型のアクセサリーを、愛知県豊橋市の伝統工芸「豊橋筆」の職人がてづくりしている。愛猫や愛犬を失った飼い主の喪失感「ペットロス」を、伝統の技が癒している。

ふわふわの真っ白な綿毛や、グレーの真っ直ぐな毛並み。嵩山工房には、猫の毛などでつくられた親指ほどのアクセサリ「ペット筆チャーム」がずらりと並ぶ。ペットの写真が入った丸型メタルも添えられる。開発したのは工房の宣伝担当、山崎亜紀さん。筆職人亘弘さんの次女だ。亜紀さんは需要が減り、筆づくりから手を引く職人がいることに、もどかしさを感じていた。「せっかくの技術を生かせないか」。頭に浮かんだのが、友人の姿だった。飼い猫をなくして深く落ち込み、数か月間立ち直れなかった。「食欲がない」と死を受け入れられない様子だった。「家族のようなペットをなくし、悲しい思いをしている人はたくさんいる。その子(ペット)のことを感じてもらえるようなものをつくりたい」。亘弘さんも同意してくれた。通常の筆も、イタチやリス、猫などさまざまな動物の毛を用いる。亘弘さんの手に掛かれば、「一目見れば毛の個性は分かる。どんな動物の毛でも対応できる。一本胃ぽ音ペットに込められた愛情を筆で残したい」。昨春、最初のチャームが完成すると、猫を失った友人をはじめ「なんでもっと早く作ってくれなかったの」との声が相次いだ。これまでに30本の注文があった。愛知県あま市の会社員鎌田さんは、愛犬のチャームを母親にプレゼントした。父親が闘病した斎、「(犬に)元気づけられる母の姿を見てきたから。チャームを手に、いつも近くに感じてもらいたい」と話す。母親は外出時にチャームをバッグに付けるという。一本1万円(税抜)~。完成には1ヶ月半ほどかかる。量や長さがそろえば抜け毛でも製作は可。


ペットロスで不調4割にも

ペットフード協会(東京)によると、国内の犬や猫の飼育数は1844万頭に上がる。延べ20%程度の世帯が犬か猫を飼っていると推計される。ペット用の保険を扱う「アイペット損害保険」の調査では、ペットを失った際には体調不良や精神に不調が現れた人は4割超にのぼるという。北里大獣医学部の講師は「核家族化を背景に、ペットはかわいがる存在から、家族の一員に代わり、ペットロスが広がっているのだろう。しっかり悲しんで死を受け止めることが大切。ペットを思いい出せるものも、慰めになり、いい」と話す。