読み物

植物画(ボタニカル・アート)での筆の実用例

2022.03.02 植物画(ボタニカル・アート)

球根を描く:彩色

非常に薄い彩色から始めます(柔らかい①「白山羊毛筆」を使用)。通常、根の彩色に使う色は、このモチーフにすでに使用した色をミックスした色で彩色する。

ノック式消しゴムを使い、鉛筆の線のカーボンを押し取り、根の色の絵具で彩色した線に置き換えます。ノック式消しゴムで鉛筆の粉を持ち上げて消して、後ろの根の根元から、細い筆を使い(腰の強い②「白狸面相筆」を使用)、陰影を意識して、円筒形感を出しながら微妙な色の変化を付けていく。各根の色は少しずつわずかに異なります。

たとえば、後方の根には青紫の色調を追加し、主要な根にはシエナ(sienna: 黄褐色)と温かみのあるベージュ(beige:極めて薄い 黄色 ないし 茶色)の色調を追加します。
・かなり明るい色の根であっても、それらの外形形状をはっきりさせる。
・たまには緑色なども使いながら、最も暗い部分のコントラストを強調します。根先の生長点の陰色を薄く彩色する。

より詳しい植物画(ボタニカル・アート)の書き方や作品については、こちらより植物画家 小池昇司先生のホームページをご覧ください。

ボタニカルアートとは

植物画(ボタニカル・アート)は元来、写真が無い時代に図鑑の挿絵として描かれてきた絵画です。
博物画の一種で、草花を科学的に精確に描出する「植物細密画」で、それが美術品としても注目されて、独自のアートとして発展してきました。